2012年の年末に旅したスイスの三湖地方。
「三湖地方ってどこ?」
日本人(おそらくスイスでも無名かも)でご存じの方は稀のはず。
文字どおり3つの湖が集まる地域で、この旅ではほぼ3つの湖を周遊しました。
今回の投稿ではその中の2つ、ヌーシャテル湖とビール湖周辺の様子を滞在記風にまとめました。
レアな旅先を知りたい、風景を見てみたい、と思う人向けの記事です。
▼ムルテン湖とムルテンの町に関しては別記事にまとめています

スイスの三湖地方ってどこ?

スイスにある三湖地方の3つの湖とは、ヌーシャテル湖・ムルテン湖・ビール湖。
地図でみるとわかりやすいでしょう。
いちばん大きいのがヌーシャテル湖。
ヌーシャテル湖の北東にあるのがビール湖。
「ムルテン」の町の名前に隠れてる小さい湖がムルテン湖です。
この辺りは言語境界線と3つのカントン(いわゆる州)の境界線が入り混じっていてちょっと複雑。
- ヌーシャテル湖(Lac de Neuchâtel):ほぼ全域フランス語圏。ヌーシャテル州とヴォー州。
- ビール/ビエンヌ湖(独語 Bielersee/仏語 Lac de Bienne):ドイツ語圏。ベルン州。
- モラ/ムルテン湖(仏語 Lac de Morat/独語 Murtensee):フランス語がメインだが、ムルテンの町はドイツ語圏。フリブール州とヴォー州。
スイスには4つの公用語(ドイツ語・フランス語・イタリア語・ロマンシュ語)があります。
フランス語とドイツ語の言語境界線があるのが三湖地方。
スイスは小さな国だけど、言語が異なる地方に行くだけで外国旅行をした気分にもなれるのがおもしろいです。
ヌーシャテル湖畔で立ち寄りたい4つの町

ヌーシャテル湖畔にある少しオリエンタルな雰囲気がある建物。
ヌーシャテル湖は3つの湖の中で最大で、スイスにある最大の湖。
ほぼ全域がフランス語圏なので湖名もフランス語の「Lac de Neuchâtel」が一般的。
湖上クルーズなどもあり特に夏は人気の観光地。
かなり大きな湖なので一周するには時間がかかります。
なのでヌーシャテル湖畔で立ち寄って良かったと感じた4箇所を紹介します。
1. ヌーシャテル(Neuchâtel)

ヌーシャテル湖畔で一番大きな町でヌーシャテル州の州都でもあるヌーシャテル。

「新しい城」という意味の町の名前のとおり、町には城があります。
わたしたちは城には行ってませんが、高台にあり湖を一望できるので行く価値あり。
ヌーシャテル城の裏手からはケーブルカーでさらに高台(570m)まで登れ、ヌーシャテルの街並みや湖のパノラマが望めます。

街中には旧市街の街並みもあるようで、湖畔散策しただけでもったいなかったなぁ。
ジュネーブから電車で1時間ちょっとで行けるヌーシャテルの町。
ヌーシャテル湖畔でまずは行きたい町です。
2. イヴェルドン(Yverdon-les-Bains)

ヌーシャテル湖の最南端にあるイベルドン・レ・バン(Yverdon-les-Bains)。
「les-bains(レ・バン)」が町の名前についていると、温泉療養施設(地)があるという意味になります。
フランスのレマン湖沿いの町エビアンも温泉療養施設があり「les-bains(レ・バン)」が町の名前についてますね。


イヴェルドンにはその後再訪しましたが、街中にはカフェやレストランなど豊富にあります。
夏だと湖畔のビーチで日光浴や湖水浴が楽しめますが、冬にしか行ったことがなく賑わった様子は見たことがないです。
落ち着いた街並みなので秋ごろのイヴェルドンも良さそうだと2度の訪問で感じました。
3. コロンビエ城(Château de Colombier)

ヌーシャテル城には行かなかったけど、ヌーシャテルの近くにあるコロンビエ城には行きました。
電車でアクセスするならヌーシャテルが訪れやすいので、ヌーシャテル城に行くのがいいでしょう。
ただ車で行くならコロンビエ城周辺のほうが駐車しやすくて気楽。

城塞都市のような趣きがあり、城自体もどっしり重厚な佇まい。
城は大きくはないけど造りに圧倒されました。

コロンビエ城のあるミルヴィーニュ(Milvignes)はこぢんまりした町ですが、お店やカフェなどもあり休憩するのにちょうどいいサイズ。
車移動していてカフェ休憩するのにいいですよ。
4. エスタヴァイエ(Estavayer)

ヌーシャテル湖畔の南側にあるエスタヴァイエ。
フリブール州にあるエスタヴァイエの街中は石畳の通りが残る旧市街もある中世の町。

雰囲気のいい店舗やレストランも見かけました。

訪れた日のエスタヴァイエは霧に包まれていましたが、それが幻想的でとても美しかったです。
これはヌーシャテル湖畔から見上げたシュノー城(Château de Chenaux)。
シュノー城はエスタヴァイエに行ったら訪れたいスポットです。

エスタヴァイエの旧市街にあるシュノー城は13世紀に建てられたもの。
近くで見ると前述のコロンビエ城のように重厚な建物なのがわかります。
この地方らしい造りなのかな?

現在はフリブール州がオーナーとして管理しているシュノー城。
街歩きや歴史文化に触れるのが好きな人におすすめなスポットです。
そうじゃなく自然やスポーツに興味がある人も楽しめそうなエスタヴァイエ。
湖畔にはビーチがあり、またヌーシャテル湖のユニークな生態系が残るエリアがあるのもこのエスタヴァイエ。
湖畔をただ歩くだけでもいいし、夏などいい季節にはカヌーなどで自然を楽しむこともできます。
時計産業の中心地として知られるビール湖周辺

ビール湖畔では特に印象に残った風景には巡り合えませんでした。
湖の南にあるエルラッハ(Erlach)という町から北側にある湖の名前でもあるビール(Biel)までの地図上の左側だけ周っただけだったからかもしれません。

ビール湖の大半はベルン州にあります。
この建物あるクマの絵がベルン州の紋章です。
▼スイスの首都ベルンは美しい街並みで街歩きが楽しいところです


エルラッハの街並み。
エルラッハは「スイスの美しい村」のひとつに選出されている村。
小さな村だけどかわいらしくひととおり店舗やカフェ、レストランなど揃っています。
ビール湖周遊の拠点にも良さそうな印象。
湖名にもなっているビールの町にも行ってみました。
町の中心らしきところを少し歩いただけなので特に印象に残るような町ではなく…。
ビールはドイツ語とフランス語の併用が法律でも定められている町とのことですが、利用したスーパーではドイツ語のみでコミュニケーションに困ったこともありました。
土地柄ドイツ語の方が優位なのでしょう。
後から知ったんですが、ビールは時計産業の中心の町なんだそう。
というのも、世界的に有名なスイスウォッチのスウォッチグループの本社があるんです。
(Googleマップで見てみる)
スウォッチグループの中にはカジュアルなスウォッチからオメガ・ロンジン・ブランパンなどの高級腕時計まであり、まさにスイスの時計産業の象徴。
本社敷地内には「シテ・デュ・タン(Cité du temps)」とフランス語で時の都を意味するオメガ・スウォッチ博物館(入場無料!)があります。
博物館の建物は日本人建築家の坂茂氏による近未来的なデザイン。
(博物館の公式サイトで建物のイメージや動画が見られます)
カップルでも子連れのご家族でも楽しめる展示のようなので、ここに行くためにビールを訪れても楽しそう。
これは再訪しなきゃ!
まとめ:スイス「三湖地方」での滞在記
三湖地方の中のヌーシャテル湖とビール湖を紹介しました。
別記事にしたぐらいなので、個人的にはムルテン(モラ)湖とムルテンの町がいちばん気に入りました。
ただヌーシャテル湖畔のエスタバイエは街並みも城も趣深く、再訪したいと思っているほど。
そしてオメガ博物館を見にビールにも再訪したい。
三湖地方という名前を覚える必要はありませんが、魅力的な町や村が点在しています。
電車でもジュネーブからアクセスしやすいのでジュネーブからの日帰り旅というスタイルでもいいでしょう。
今回の滞在記スタイルの記事がヌーシャテル湖とビール湖への旅の参考になれば幸いです。
