昨今フェイクニュースという言葉がよく聞かれるので、フェイクという言葉の意味をご存知の方多いはず。
(ちなみにフェイク〈fake〉とは本物のように見せかけた偽物という意味)
でもフェイク写真(フォト)という言葉は聞かれたことないはず。
ハイ、わたしが作りました。
2017年の年末に琵琶湖に浮かぶ浮御堂のフェイク写真を見つけて以来、
本当の浮御堂の姿を確認しに行く日を心待ちにしていました。
そして2019年1月にようやく再訪。トップの写真こそが本当の浮御堂の姿です。

2017年末に見つけた浮御堂のフェイク写真
トップにあるわたし自身撮影(2019年1月)による浮御堂。もちろん大した写真ではありません。でも繰り返しますが、これが普通に誰もが目にする浮御堂の姿です。
ちなみに最初に浮御堂を訪れたのは2011年10月。その後2015年にも行きました。

2015年に撮影したのが下の写真です。

さて、ここで次の写真を見てください。
(Jonathan Chritchley Photographyからのスクリーンショット)
この写真を偶然見つけた瞬間から違和感だらけ。
左上に写る木なんて浮御堂周辺のどこにもない!!
この写真を最初に見つけたのは、「Mail Online」というゴシップ系サイトですが、時折フォトコンテストの結果記事などもあるので見たりします。
その記事内に掲載されている全ての写真が収められた写真集が出版された、と書かれていたので出版社に問い合わせ、というか抗議メールを送ったんです。
半月ほどして担当者から返信。
その人はこの「Jonathan Chritchley」というイギリス人写真家に合成写真なのか尋ね、その回答をそのままコピペしてくれてました。その内容は以下のとおりです。
<訳>
木も寺も写真どおりそこにあった。
ビデオ(=わたしがメールにリンクを貼ったもの)を見てないから彼女(=わたしのこと)が正しい寺のことを話してるのか、それか僕が2016年に撮影してから変化があったのかはわからない。
でもその時は寺の周りに何本もの木があったんだ。
確かにワイドアングルでの特殊な撮影方法だったから彼女が見慣れた風景からはゆがんだイメージかもしれない。
右手にも1本の木があったけど、これは編集で切り取った。
また2018年3月にここへ行く予定だから変化があるかどうか楽しみだ。
嘘やー!!!!!
2019年1月に確認した浮御堂
写真の右手がわたしの立ち位置。
左手の護岸はわたしの立ち位置のすぐ後ろとなります。
このイギリス人写真家の言ってることが本当ならこの写真の中に何らかの木が写り込むはず。何もなし。
ちなみに2011年、2015年に行った時もはっきり覚えてますが、浮御堂の右手以外には木は全くありませんでした。
そしてわたしが証拠品としてメールにリンクを貼ったYoutubeビデオは2015年にアップされているので彼が訪れた2016年に木がいきなりそんな大きく成長するはずもない。
わたしもiPhoneでビデオ撮ったんですが、
出来があまりにもひどいので載せるのはやめました。
参照したYoutubeビデオがドローン撮影されててとてもわかりやすいので
そちらを見てみてください。
わたしがフェイク写真を許せない理由
浮御堂と個人的になんの関係もないのに、なんでこの写真が許せないのか?
それは何より真摯に被写体と向き合っている夫(写真家)のようなフォトグラファーたちや風景自体へのリスペクトがないからです。
写真家である夫は撮影するその時間こそが一番。
そしてその後の編集はできる限り最小限に留めています。
今はフォトショップでいくらでも写真編集ができるので、オリジナル写真とは全く違うイメージを作れてしまう時代。
それでも夫は本当の姿にこだわります。
このイギリス人写真家も
「この写真はデジタル合成写真だ。」
と言ってしまえばそれでいいんです。
写真でもそのようなカテゴリーはあるわけだから。
そうとは言わず、
ランドスケープ写真のカテゴリーに入れたがる
という姿勢が気に入らないんです。
というより、この人、自分に嘘ついて恥ずかしくないのかな?
フェイク写真うんぬんではなく、琵琶湖に浮かぶ浮御堂は美しいです。
琵琶湖に行かれたらぜひ拝観してみてください。
今回の発見(Discovery)!
本当はネガティブな内容の投稿なんてしたくないです。
ただこのフェイク写真の事実をみなさまにお伝えしたく、揚げ足をとるような内容かもしれませんが書きました。
写真に限らず自分にだけは正直な生き方をしたいと思う次第です。
