【スイス】ジュネーブの隣町カルージュにも足を伸ばそう
スイス第2の都市ジュネーブ(スイス最大の都市はチューリッヒ)。
人口は20万人弱。
日本的に考えれば中規模の都市ですが、国連をはじめ多くの国際機関が集まる国際都市で、町を歩いていれば様々な言語が耳に入ってきます。
ただジュネーブに来てジュネーブ市街地だけを見て帰ってしまうのは正直もったいない。
レマン湖沿いの散策もいいけれど、時間があればぜひ足を伸ばしてほしい場所があります。
それがジュネーブ市街のすぐ南、アルヴ川を挟んで隣り合う「カルージュ(Carouge)」。
ジュネーブにほど近いフランス領に住んでいるわたしですが、カルージュに足を踏み入れた瞬間、落ちました。
まるで水を得た魚のように写真を撮るは、いちいち店の前で立ち止まるは。
人気の町だと耳にしていましたがそれも納得です。
この記事ではカルージュがどんな町なのか、その成り立ちと歴史、街歩きの見どころ、そしてカルージュにある絶品パティスリー、ジュネーブからのアクセス方法をまとめてお伝えします。
▼晴れたら行ってほしいジュネーブレマン湖沿いにある公園
カルージュってどんなところ? (基本情報と歴史)

カルージュは今でこそジュネーブ州にあるひとつの町ですが、以前は18世紀にサルデーニャ王国によって独立した都市として計画された町でした。
ジュネーブ州には全部で45のコミューン(基礎自治体)があり、カルージュはそのひとつ。
ジュネーブ市とはアルヴ川を挟んで隣り合っています。
人口は約2万2千人、面積は2.7平方キロメートルほど。
こぢんまりしていますがその生い立ちはかなり独特です。
現在のカルージュの街並みが形づくられたのは18世紀。
サルデーニャ王ヴィットリオ・アメデーオ3世が、当時のライバルだったジュネーブに対抗するために計画的に町を建設したのが始まりです。
その後1792年にはフランスに併合され、1814年には再びサルデーニャ王国へ戻り、1816年のトリノ条約でジュネーブ州に移管されて、スイス連邦の一部になったという経緯があります。

サルデーニャの支配下にあった期間が長かったため町の雰囲気がジュネーブ市街と異なりイタリア風。
カルージュ一帯はスイスの国家的文化遺産として保護されているほど、まとまりのある美しい町です。
またカルージュはアーティストや職人が多い町としても知られています。
町の中に入るとそのような雰囲気を肌で感じ取ることができます。

町にはいくつものギャラリーがあります。写真はそのひとつ。
こちらのギャラリーでは夫(写真家)の写真展を何度か開催していただきました。
地元の人は気軽にアートギャラリーに入店され、アートが身近で生活に根付いているんだな、という印象を受けたものです。
ジュネーブとはひと味違うカルージュの街並み

カルージュには高いビルはありません。
個人経営の店舗が多く、それらがまた感じいいんです。
写真は春のアンシエンヌ通りで見かけた花屋の店先。
ここの花屋さんはいつ通っても素敵なディスプレイで目を引きます。
まだ肌寒い3月頃からチューリップなどの春の花が並び始め、明るい気分にさせてくれます。

同じくアンシエンヌ通りにあるアンティークショップ。
こうしたお店をのぞきながら歩くだけでも楽しい時間です。

いつだったか、トラムが走るアンシエンヌ通りでレトロタイプのトラムを見かけました。
街並みに合ってます。
これは年に何度か土曜日に運行されるレトロトラム。
タイミングが合えばぜひ乗ってみてください。

建物の脇道を入るとこれまた落ち着いた空間が広がってます。
このように建物の間に中庭が設けられているところもあるので、発見の楽しみがあります。

夏になると、カルージュに限らずヨーロッパ全体が開放的になります。
カルージュにあるカフェやレストランもこぞってテラス席を用意し、町が外へ開いていくような雰囲気に包まれます。
水回りの花飾りもジュネーブとはちょっと違う趣きで涼しげです。
カルージュでぜひ立ち寄りたいパティスリー「MR & MRS Renou」

カルージュを歩くなら、ぜひ立ち寄ってほしいパティスリー「MR & MRS Renou」。
カルージュでスタートしたパティスリーで、パティシエはクリストフ・ルヌー(Christophe Renou)。
2015年にフランスの国家最優秀職人(MOF=Meilleur Ouvrier de France)に選ばれた実力派です。


ケーキはどれも美しく、芸術作品のよう。
味も繊細で、スイスでいただくパティスリーの中でも特に印象に残るお店です。
チョコレートや焼き菓子も充実していて、おみやげにもいいでしょう。
ただスイスにあるパティスリーなのでお値段は高めです。

店舗にはティールーム(RENOU Café)が併設されているので、購入したお菓子をその場でいただくことができます。
同じ「Renou」の店舗はジュネーブ市内にもあります。(公式サイト参照)
カルージュ本店はパティスリー、ショコラトリー、ティールームがそろう一番充実した店舗なので、せっかくならカルージュで立ち寄りたいところです。
(イートインできるのはカルージュ店舗だけ)
営業時間や定休日は変更されることがあるので、お出かけ前に<公式サイト>で確認してください。

場所はカルージュシネマのある通りにあり(地図で場所を確認)、わかりやすいですよ。
カルージュでの楽しみ方
カルージュにはパティスリー以外にも、訪れる時間帯によってさまざまな楽しみ方があります。
カルージュ・マルシェ(市場)


町の中心にあるマルシェ広場(Place du Marché)では、水曜日と土曜日の朝(6時から14時)に市が立ちます。
(写真はカルージュではなく、ジュネーブ市内のマルシェの様子)
長年続く伝統の市場で、地元の人でにぎわう様子は見ているだけでも楽しい。
3月から11月には木曜の夕方(16時から21時)にも市場が開かれます。
朝のマルシェは生鮮食料品がメイン。(パンやシーフードもあり)
夜のマルシェは食料品もありますが、ワインやそれに合うおつまみ系(チーズ)、スイーツ系も並びます。
詳細はカルージュ市のサイトにて確認してください。
カフェやレストランでゆっくりする

マルシェ広場の周りや前述の「MR & MRS Renou」がある通り(サン・ジョセフ通り)にはカフェやレストランが並びます。
天気のいい日は外の席でゆっくりするのが気持ちいい。(店内がいい雰囲気のカフェ・レストランも豊富です)
夜のカルージュ
カルージュはジュネーブでも夜がにぎわう地区として知られています。
バーやレストラン、ジャズクラブが集まり、特に「Chat Noir」はジュネーブで有名な食事も楽しめるライブハウス。
夜のカルージュにはわたしは一度しか行ったことがないのですが、ディナーを楽しむなら予約がおすすめです。
秋の日本祭り

毎年9月末か10月初めの日曜日、ジュネーブのジャパンクラブが主催する日本祭りがカルージュで行われます。
この日ばかりはイタリアっぽいカルージュが日本になります。
といっても会場のまわりぐらいですが。

2014年の日本祭りの際は会場周辺の店舗名がカタカナで書かれ、日本っぽいディスプレイがされたりと、町中で盛り上げてくれているのが伝わる感じでした。
フランスもそうですが、スイスも日本好きな方が結構多い印象があります。

日本祭りには2014年、2015年と2度参加しましたが、どちらも大盛況。
日本に対して好印象を持ってくれている人が多く、嬉しい気持ちになりました。
クリスマス時期のカルージュ
冬のクリスマス時期には、カルージュも華やかな装いになります。
ジュネーブのデコレーションよりシックな印象で、派手さがないのが個人的には好きなところ。
短い期間ではありますが、マルシェ広場を中心にクリスマスマーケットも開催されます。

左の写真はショコラティエの店先にあったオレンジ。
何が刺さっているのかというと、クローブ(仏語でGirofle、日本語で「丁子ちょうじ」)というカレーなどにも使われる香辛料です。
クリスマスや新年によく作られる「ポマンダー」というもので、疫病よけや防臭に使われ、手作りものをプレゼントすると幸福をもたらすとも言われているのだそう。
初めはチョコレートが刺さっているのかと思っていました。
カルージュでは個人経営の店舗が多いので、人とかぶらないプレゼントを購入できることから、クリスマスやバースデープレゼントを求めてショッピングする人も多いですよ。
ジュネーブからカルージュへのアクセス
カルージュへはジュネーブ市街からトラムで15分ほど。とても気軽に行ける距離です。
(時間があれば、プランパレあたりからだと徒歩でも行けます)
- トラム12番・18番:Place d’Armes、Carouge-Marché、Ancienne、Carouge-Rondeau の各停留所が便利
- バス11番・21番:Place d’Armes、Carouge-Marché、Moraines、Fontenette、Val-d’Arve など
街歩きの起点としては、Carouge-Marché(マルシェ広場)か、メインストリートに近いAncienne(アンシエンヌ)で降りるといいでしょう。
ジュネーブのプランパレ周辺からならトラム12番で数駅です。
チケットはジュネーブの公共交通(TPG)のユニレゾ(unireso)ゾーン内。
ジュネーブ周辺のホテル滞在者に配られる「ジュネーブ・トランスポート・カード」が使えるはずなので、ホテルでチェックしてみてください。
カルージュを訪れるときの注意点
ひとつだけ、季節に関わらず注意してほしいことがあります。それは、
午前中に行っても店が開いていないことが多い
ことです。
ジュネーブだと結構早い時間からデパートや店がオープンしますが、カルージュは午後の町。
カフェもオープンが遅いところが多いです。
だいたい11時ごろから店もカフェもオープンするところが多い。
なので午前中に行くならマルシェの日(水曜·土曜)を狙うか、午後ゆっくり街歩きを楽しむスケジュールがおすすめです。
まとめ:ジュネーブの隣町カルージュにも足を伸ばそう
ジュネーブの市街地は国際都市らしく洗練されていて、それはそれで魅力的です。
でもトラムで15分ほど行っただけで、まったく違う顔の町が待っているのがジュネーブのおもしろいところ。
カルージュはイタリア・サルデーニャの面影を残す街並み、個人経営の店、カフェのテラス、そして職人やアーティストの気配が混ざり合った、ユニークな町です。
そして甘いもの好きなら立ち寄ってほしいのが「MR & MRS Renou」。
美しく繊細なケーキとチョコレートは、カルージュでのいい思い出となるでしょう。
ジュネーブに来たら、市街地とレマン湖だけではなく、ぜひカルージュにも足を伸ばしてみてください。
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