2023年3月初旬ポルトガルからフランスへ帰る途中にスペインのラ・マンチャ地方を訪れました。

「ラ・マンチャ」という名前を聞いて、ピンとくる方も多いのではないでしょうか。

そう、セルバンテスの名作『ドン・キホーテ』の舞台です。

どこまでも続く乾いた赤茶色の大地の上に、白い風車がいくつも並ぶ風景。

今回は代表的な2つの風車スポット「コンスエグラ(Consuegra)」と「カンポ・デ・クリプターナ(Campo de Criptana)」を訪れた様子をお伝えします。

どちらも個性があって、どちらも素晴らしかった!

ぜひ最後まで読んでみてください。

スペインのラ・マンチャ地方とドン・キホーテ

ラ・マンチャ地方は、マドリードの南、スペイン中央部に広がるカスティーリャ・ラ・マンチャ(Castilla-La Mancha)自治州(州都はトレド)に位置する広大な台地です。

標高600から700mの高原地帯で、夏は猛烈に暑く、冬はスペインの中ではかなり冷え込む地域。

そんな厳しい気候の乾いた大地に、かつては無数の風車が立ち並んでいました。

川が少ないラ・マンチャでは、穀物を挽くために風の力を使うしかなかったのです。

その風車の姿を見て、主人公のドン・キホーテが「あれは巨人だ!」と叫んで突撃していくシーンは有名なエピソード。

(わたしは「ドン・キホーテ」読んだことないですが笑)

実際に風車を目の前にすると、ゆっくりと回る大きな羽が、確かに長い腕を振り回す巨人に見えなくもない。

物語の世界観を肌で感じられるのが、ラ・マンチャ旅の醍醐味のひとつです。

絶景パノラマが広がる「コンスエグラ」の風車

マドリードから南へ車で約1時間半。

トレド県にある小さな町コンスエグラ(Consuegra)。

町の南西に細長く伸びる「カルデリコの丘」の尾根に沿って、12基の白い風車と中世の古城が一直線に並ぶ姿は、まさに絵になる風景です。

近づいていくと最初は「こんな何もないところに、なんで風車が並んでるの?」と思うかもしれません。

でも丘の上に立った瞬間、その疑問はすぐに解けます。

360度どこを向いても、遮るものが何もない。

赤茶色の大地が果てしなく続いていて、常に強い風が吹き抜けている。

「なるほど、だからここに風車を建てたんだ」

と体で理解できる場所です。

コンスエグラの12基の風車にはそれぞれ名前がある

コンスエグラの12基の風車には、それぞれ名前がついています。

わたしたちがコンスエグラの風車にたどり着いたのはすでに夕方でどの風車も扉が閉まっていましたが、昼間だと中に入れる風車もあります。

ルシオ(Rucio)はそのひとつで昼間だと内部見学ができます(有料)。

他にはお土産屋になっている風車も。

そこではコンスエグラが誇る世界最高品質のサフランや、地元のオリーブオイルなどが並んでいます。

コンスエグラのサフランは高品質なのでお土産に買って帰るのもいいでしょう。

コンスエグラは風車と古城の組み合わせがユニーク

風車と並んで立つコンスエグラ城は、10世紀にアラブの砦として建てられ、12世紀からは聖ヨハネ騎士団の居城となった歴史ある城。

現在は修復されて内部の見学もできます(有料)。

風車と古城が同じ丘の上に並ぶ光景は、コンスエグラならでは。

3月初旬にコンスエグラを訪れたわたしたち。

この時はまだ少し風が冷たかくてくもり気味だったけど夕暮れ時で郷愁を感じるいい雰囲気を味わえました。

この時はコンスエグラにある小さな個人経営のかわいらしいホテル(Hotel Consuegra)に宿泊しました。

風車のあるスポットにはホテルからは車が必要なロケーション。(町の中心には徒歩で行けます)

なのでバスでコンスエグラにやって来た人には不向きなホテルです。

車旅で犬連れ(ペットフレンドリーな宿)ならここがベストな宿。

値段もお手頃(利用当時1泊で一部屋¥11000ほど)

レセプションのお姉さんはスペイン語オンリーだったのでスマホを駆使してやり取り。

なんとかなるものです。

予約はいつものように「Booking.com」でしました。

3月初めで観光シーズンじゃないからかコンスエグラの町はかなり閑散としていてディナーするレストランがなかなか見つからず。

でも街中にスーパーがあったのでなんとかなりました。

ドン・キホーテが戦った巨人のモデル?「カンポ・デ・クリプターナ」の風車

コンスエグラから東へ、車で40分ほど走ると、もうひとつの風車スポット「カンポ・デ・クリプターナ」に到着します。

こちらは『ドン・キホーテ』の中で主人公が風車に突撃したシーンのモデルになった場所として、最も有力視されているスポット。

コンスエグラとの違いは、風車が「村の中」にあること。

白い壁に青いラインが入った可愛らしい家々が並ぶ居住区のすぐ上の丘に、10基の風車が立っています。

村の風景と風車が一体化しているのが、この町ならではの魅力です。

カンポ・デ・クリプターナにある10基の風車にもそれぞれ名前がつけられているのはコンスエグラと同じです。

カンポ・デ・クリプターナには16世紀に建てられた風車が現存する

カンポ・デ・クリプターナの風車で特筆すべきは、そのうちのいくつかは16世紀に建てられたものだということ。

内部の機械もそのまま残っていて、実際に今でも粉挽きができる状態を保っています。

最盛期には34基ほどの風車が並んでいたというから、当時の様子を想像するとなんだかロマンを感じますね。

村の家並みと風車が織りなす景色

カンポ・デ・クリプターナは、コンスエグラに比べるとより素朴で静かな雰囲気。

風車のすぐそばまで歩いて行き、見上げてみると確かに大きい!

ドン・キホーテが長い腕を振り回す巨人と見間違えたというのも、なんだかうなづける迫力があります。

また、風車の丘から見下ろす村の白い家並みも絵になります。

夕暮れ時に訪れると、夕日に染まる白い風車とラ・マンチャの大地が、なんとも言えないノスタルジックな情景を作り出してくれるんでしょうね。

(わたしたちは朝方の訪問だったので夕方の様子も見てみたかった)

ただ朝早い時間に訪れたのでほとんど人がいなく独り占め状態だったのはよかったです。

ちなみに夫(写真家)がひとりで早朝に撮影した時は風車のある一帯がライトアップされていたとのこと。(冬のスペインは日の出時間が遅いので)

夜の幻想的な風車風景を見たいならカンポ・デ・クリプターナで宿泊するのも良さそうです。

訪れた時は朝早くて空いてなかったけどカンポ・デ・クリプターナの風車の横にはレストランやミュージアムもありました。

2つの風車スポットの違いと魅力

コンスエグラとカンポ・デ・クリプターナ、どちらも素晴らしいスポットですが、雰囲気は少し違います。

表にしてみました。

コンスエグラカンポ・デ・クリプターナ
風車の数12基10基
風車の場所町を見下ろす高い丘の上村の居住区のすぐ上
一緒に楽しめるもの中世の古城村の白い家並み
雰囲気ダイナミックで開放的素朴でノスタルジック

どちらかひとつだけ選ぶなら、観光地として整備されているコンスエグラの方が訪れやすいでしょう。

でもドン・キホーテの世界観をより深く感じたいなら、カンポ・デ・クリプターナも外せない。

時間が許すなら、ぜひ両方訪れてみてください。

わたしたちは自家用車で2か所をはしごしましたが、マドリードから日帰りで訪れることも可能です。(ただ2箇所とも公共交通機関で行く場合は日帰りでは難しいでしょう)

両方個人的に訪れたい場合はレンタカーが必須。

レンタカーだと電車やバスなどの時間に左右されません(スペインは電車・バスが遅れることも大いにありうる)。

また公共交通機関ではアクセスしにくい場所もレンタカーなら自由に周遊できます。

ラ・マンチャ地方へのアクセス方法

風車には興味なしだった愛犬

ここでは2つのスポットへのアクセス方法をお伝えします。

どちらも公共交通機関利用して個人で行くことが可能です。

コンスエグラへのアクセス方法

コンスエグラへはマドリードから車で約1時間半(高速道路A-4経由)が最も便利。

バスの場合はマドリードから約2時間半(alsa運行)。

マドリードのバスターミナル(Estación de Autobuses Madrid Sur)が出発地点です。

カンポ・デ・クリプターナへのアクセス方法

カンポ・デ・クリプターナへは車の場合マドリードから東南東へ約1時間40分。

マドリードから電車の場合はアトーチャ駅からアルカサル・デ・サン・フアン(Alcázar de San Juan)で乗り換えて約2時間半ですが、本数が少ないので注意が必要です。

電車の本数が少ないため、乗り換え駅のアルカサル・デ・サン・フアンからタクシーを利用する方法もあります(約8km)。

ヨーロッパでの電車やバスの予約なら「Omio(オミオ)」が便利です。

ヨーロッパ交通を予約するならOmio

2つのスポットを効率よく周遊するなら、レンタカーがもっとも便利。

マドリードを拠点に、コンスエグラとカンポ・デ・クリプターナを1日で回ることも十分に可能です。

車の運転が不安ならツアーを利用する手もあります。

両方をカバーするツアーは見つけられませんでしたが、どちらか一方とトレドを組み合わせたツアーが多数あるのでそれを利用してもいいでしょう。

▶︎マドリード発ラ・マンチャの風車とトレドツアー(by ゲット・ユア・ガイド)

まとめ:ドン・キホーテの舞台ラ・マンチャ地方の2大風車スポット

コンスエグラとカンポ・デ・クリプターナ、どちらも「スペインらしい風景」と言える風景に出会える場所です。

マドリードやバルセロナなどの華やかな観光地とはまた違う、静かでロマンチックなスペインの魅力がここにあります。

『ドン・キホーテ』を読んだことがある方もない方も、この景色を目の前にするときっと何かが心に響くはず。

長い間バケットリストに入っていたスポットだったので風車のある景色を目の前にしたときは感慨深いものがありました。

スペインを旅する機会があれば、ぜひラ・マンチャ地方の風車スポットも旅程に加えてみてください。

マドリード発の日帰りツアーも出ているので、車の運転が心配な方はツアーを利用するのも便利ですよ。

▶︎マドリード発コンスエグラとトレドのガイド付き日帰りツアー(by ゲット・ユア・ガイド)

ABOUT ME
ひさよ
旅好き(32か国)50代女性のひさよです! スイス国境近くフランス在住13年。愛知県出身。 フランス・スイスを中心に実際に訪れて体験した国内外の観光や生活情報をおとな女性向けにホンネで語っています。国内外レアな旅先が多く登場。またお気に入りのカフェやチョコレート情報もお届けします。