京都には紅葉スポットがあちこちにあり、11月ともなるとどこも大混雑します。
ところが、平安神宮にも近い「無鄰菴(むりんあん)」という日本庭園では意外と静かに紅葉を楽しむことができるんです。
平安神宮以外にも、無鄰菴の近くには南禅寺や永観堂があります。
でもなぜか無鄰庵までは人がたくさんやって来ない。
今回は無鄰庵の紅葉風景をたっぷりの写真でお伝えします。
無鄰庵の概要
無鄰庵は明治・大正時代の元老であった山県有朋が1896年京都につくった別荘です。
有朋自身が設計し、作庭は小川治兵衛(他に平安神宮神苑・円山公園など)が手がけました。
東山を借景にし、琵琶湖疎水の水を取り入れた池泉廻遊式庭園。
1903(明治36)年には日露戦争直前の外交に関する方針を決める「無鄰庵会議」の舞台ともなりました。
無鄰菴会議では無鄰菴にある洋館の2階の部屋が使われました。
洋館は1898(明治31)年に建てられたレンガ造りの建物。
残念ながら写真は撮らなかったんですが、洋館の2階には狩野派による「金碧花鳥図障壁画」で飾られた和洋折衷の部屋もあります。
無鄰庵の庭園
東山を借景とした開放的な庭園を持つ無鄰菴。
簡素な木造2階建ての母屋が目立つぐらいであくまで中心は庭。
琵琶湖疏水の水を引き込んだ池や細い水路が軽快な雰囲気をかもし出しています。
秋のにぎやかな時期でも静かな無鄰菴の庭園。
小川のせせらぎの音もちゃんと耳に届き心まで洗われるよう。
紅葉時期でも控えめな秋の色が品の良さを感じる庭園です。
色鮮やかな無鄰庵の紅葉
2015年12月に訪れた時、赤・黄・オレンジ色のもみじがちょうど見頃でした。
無鄰庵のもみじは朝夕の寒暖の差が大きいことと、琵琶湖疎水のおかげで夏の暑い時期にもたっぷりと水分補給できることから、京都のもみじの中でも色鮮やかだそうです。
紅葉シーズンですぐ隣の南禅寺はたくさんの人で賑わっていますが、無鄰庵まではその人たちはなぜかそれほど押し寄せては来ません。
訪れた日も帰りがけに4、5名のグループがやって来たぐらい。
その人たちの声が響くぐらい静かな庭園でした。
赤一色じゃないところが紅葉の動きを感じられてより美しい。
別荘の主である山縣有朋は、別荘の主体は庭園として、座敷から庭を鑑賞することに重点を置いていたとのこと。(公式サイトより)
写真は母屋からではなく、外で撮影したものばかり。
山縣有朋の意向が功を奏したのか、母屋が簡素な作りなおかげで庭園も美しさが際立っていました。
お茶ができる無鄰庵
無鄰菴にある茶室。
木造平屋建の茶室で、明治28年(1895)頃に無鄰菴に移築されたものだとのこと。(公式サイトより)
通常の入場料で茶室内に入ることはできませんが、貸し出しサービスは行なわれているので利用希望の方はお問い合わせください。
わたしたちが訪れた時にはなかったサービスですが、現在では「庭園カフェ」として、飲み物とスイーツのセットを母屋にていただくこともできます。
喫茶つき入場券(1600円/2021年時)を購入すると、カフェ利用ができます。
母屋から美しい無鄰菴の庭を眺めながらいただくお茶はさぞかしおいしいことでしょう。
無鄰庵の情報
入場料:600円(市営地下鉄一日乗車券利用者は100円割引)
アクセス:地下鉄「蹴上駅」下車徒歩約7分 / 市バス「神宮道」下車徒歩約10分
注意点:駐車場・駐輪場なし
https://murin-an.jp
まとめ:無鄰庵で静かに紅葉を楽しむ
長年訪れたかった無鄰菴。
念願かなって訪れた無鄰庵は静かで落ち着く素晴らしい庭園でした。
紅葉も静かに楽しめる京都では希少価値のある隠れ紅葉スポットと言えるでしょう。
現在では庭園カフェもあり、日本文化を満喫できるスポットともなっています。
無鄰菴へのアクセスは地下鉄がいちばん便利!
市営地下鉄一日乗車券利用者なら入場料が100円割引となります。
わたしたちはレンタサイクルで行きましたが、困ったことに駐輪場がありません。
その時はすぐ横にある京都国際交流会館の駐輪場に停めさせてもらいました。
駐車場もないので、無鄰菴へは公共交通機関利用がいいです。